【次回展】三原聡一郎 レシピ:空気の芸術

身の回りにあるさまざまな現象について独自の方法で芸術への読みかえを行い、そこにあるシステムやゆらぎのプロセスを可視化・可聴化していく三原聡一郎。メディアアートの基盤となるフリーカルチャーやオープンソースプラットフォームといった民主化されたテクノロジーの視点・方法論から、開かれた系(システム)のあり方を探り「装置としての芸術」の探究を行っています。

我々を取り巻く現象・事象に焦点を当てた制作活動を展開してきた三原は、近年、それらをマッピングすることで、自身の作品と制作の関心が「振動」「呼吸」「粒子」の3カテゴリーから成ることに気づき、「空気の芸術」と名づけました。加えて、三原は作品の「レシピ」づくりを実践しています。レシピとは、三原の作品の根幹であるゆらぎのプロセスを想像する方法自体をアーカイヴ化していく試みです。そこでは、芸術作品のメカニズム詳細を可能な限り記載すること、レシピに準ずる限り再制作を許可することなど、芸術実践における循環や還元性についても思考しながら、実験的に制作が進められています。

本展覧会では、新作の《粉を挽く》を加え、近年の三原の制作活動を一望することで、我々を取り巻く循環的な世界にさまざまな切り口から迫る「空気の芸術」について体感いただくとともに、「レシピ」の展示を行います。作品とレシピを同時に示すことで、作品と記述のあり方、想像力を他者と共有する試み、作家の生前意思、再制作・再展示といった問題をめぐる、三原の関心と実践に光を当てます。

 

作品:《空気の研究》2017|ニッポンフェスティバル展示より[撮影:西野正将]

  • 日付

    2024年6月3日(月)~8月3日(土)
    11:00–18:00 土日祝休館
    特別開館|6月22日(土)、8月3日(土)
    臨時休館|6月24日(月)、7月29日(月)

  • 場所

    慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)

  • 対象

    どなたでもご覧いただけます(事前予約不要)

  • 費用

    無料

  • お問い合わせ

三原聡一郎 / アーティスト

世界に対して開かれたシステムを提示し、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、気流、土、水そして電子など、物質や現象の「芸術」への読みかえを試みている。2011年より、テクノロジーと社会の関係性を考察するためのプロジェクトを国内外で展開中。近年、これまでの活動を「空気の芸術」として、振動、粒子、呼吸というカテゴリーに基づいたアーカイヴ実験をレシピの形式に基づいて進めている。

http://mhrs.jp

 

主な出品作品

1.《  鈴》2013|個展「the world filled with blanks, kunstquartier kreuzberg bethanien」より[作家撮影]
2.《想像上の修辞法》2016|対馬アートファンタジア 2016展示より[撮影:山本糾]
3.《コスモス》2014-|「空き家の種まき」展示より[作家撮影]
4.《空気の研究》2017|ニッポンフェスティバル展示より[撮影:西野正将]
5.《8’17″》2020|第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」展示より[撮影:才木暢宏、提供:東京都写真美術館]
6.《無主物》2020|日産アートアワード2020展示より[撮影:木奥惠三]

 

関連イベント

1.アーティスト・トーク|2024年7月8日(月)18:15–
会場及びご参加方法等のイベント詳細は、決まり次第ウェブサイト他でお知らせいたします。

 

*会期中には、この他の関連イベントの開催も予定しています。詳細はウェブサイト他にてお知らせいたします。

 

2.展覧会記録集年内刊行(予定)
*展示作品および関連イベントを網羅した記録書籍を刊行予定です。

 

プレスリリースはこちら

 

主催:慶應義塾ミュージアム・コモンズ
特別協力:株式会社ニソール
協力:株式会社田村商店
京都芸術センター 制作支援事業

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