【開催中】「さすが!北斎、やるな!!国芳」-浮世絵のマテリアリティ

葛飾北斎と歌川国芳。教科書にもその名が掲載される二人の浮世絵師だが、19世紀、最幕末の江戸に生きた彼らには確かな接点があった。

北斎は、勝川春章率いる勝川派で修業したのちに独立し、多様な絵画様式を旺盛に吸収することで、のちに葛飾派(北斎派)と呼ばれる一大絵師集団を作り上げた。他方の国芳は、北斎の師春章と同時代のライバル絵師歌川豊春の孫弟子で、その師豊国や同じ派閥の広重はいずれも、北斎の好敵手であった。ところが所伝によれば、国芳本人は先達として北斎を慕って近づいたともされ、逆に北斎が彼の師系への配慮から親密な関係を拒んだとも伝えるほどである。

本展覧会は、慶應義塾が所蔵する高橋誠一郎浮世絵コレクションのなかから、互いに他とは一線を画するエキセントリックな表現で人気を博した二人の浮世絵師、北斎と国芳の魅力を再確認する機会としたい。あわせて、展覧会で初紹介される新出の絵師たちによる下絵群からは、彼らの生き生きとした筆さばきを十分にご堪能いただけるものと思われる。

「さすが!北斎」「やるな!!国芳」とは、今回ご覧に入れる手練れの絵師たちの作品をみて、思わず漏れてしまう自然な声ではないだろうか。理屈抜きで、まずはお楽しみあれ!

 

作品:葛飾北斎(画)、「冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見」、天保1~5年頃(1830-34)、大判錦絵

  • 日付

    前期 2023年5月15日(月)~6月13日(火)
    後期 2023年6月15日(木)~7月15日(土)

    11:00–18:00 土日休館

    特別開館|5月20日(土)、6月17日(土)、7月15日(土)
    臨時休館|5月22日(月)、6月14日(水)、7月3日(月)

  • 場所

    慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)

  • 対象

    どなたでもご覧いただけます

  • 費用

    無料

  • お問い合わせ

展覧会構成

セクション1 葛飾北斎の風景
セクション2 歌川国芳の人々
セクション3 北斎・国芳腕比べ
セクション4 絵師の筆ぢから

 

主な出品資料:

 

1.葛飾北斎ほか(画)、『柳の糸』、寛政9年(1797)
2.葛飾北斎(画)、「冨嶽三十六景 凱風快晴」、天保1〜5年頃(1830−34)、大判錦絵
3.歌川国芳(画)、「源頼光公舘土蜘作妖怪図」、天保14年頃(1843)、大判錦絵三枚続
4.歌川国芳(画)、「安達原一ツ家之図」、安政3年(1856)、大判錦絵二枚続
5.葛飾北斎(筆)、扇面「小茄子に菊図扇面」、紙本着色
6.葛飾北斎派下絵より、「中国故事人物図画稿」、紙本墨画
7.歌川国芳派下絵より、「流行ほふつきの八そふとび」、紙本墨画

(1-4.慶應義塾 高橋誠一郎浮世絵コレクション、5-7.個人蔵)
(5-7.全期間展示、1,3.前期展示、2,4.後期展示)

 

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関連プログラム
「ギャラリートーク」

当館学芸員によるギャラリートークを行います。
どなたでもご参加いただけます(入場無料、事前予約制)
集合場所:慶應義塾ミュージアム・コモンズ 1階

 

5月29日(月)14時~14時30分 お申し込みはこちら 満員
6月9日(金)17時~17時30分 お申し込みはこちら
6月19日(月)17時~17時30分
7月7日(金)14時~14時30分

 

どなたでもご参加いただけます。
当日のご参加も可能です。お申し込みをいただいた方より優先でご案内いたします(先着順、定員目安:25名程度)。

 

「KeMCoM デジタル×アナログ企画」

学生メンバー「KeMCoM」が、オリジナルポストカード作成や、「あなたは北斎派?国芳派?デジタル投票企画」など、デジタルとアナログを融合させた参加型企画を考案しました。ぜひご参加ください。

 

他にも展覧会に関連したプログラムを各種予定しています。詳細はWEBサイトやSNSでお知らせします。

 

連携企画
アート・アーカイヴ資料展XXV「歌舞伎への情熱——田邊コレクション/『役者』関係資料展
会期:2023年5月22日(月)~ 7月28日(金)
会場:慶應義塾大学アート・センター

 

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主催:慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)、慶應義塾大学三田メディアセンター

助成:公益財団法人 花王 芸術・科学財団