慶應義塾ミュージアム・コモンズ 新春展2024 「龍の翔る空き地 唐様前夜:林羅山とそのコミュニティ」
新たな年の挨拶にはどんな言葉やイメージを添えるでしょうか。お祝いの言葉、近況報告、親しい人の写真・・・「干支」も馴染み深いものです。
2024年の干支は「辰」(龍)。干支のうちで唯一の想像上の生き物です。龍は洋の東西を問わずいろいろな文物に表されてきました。自然を操る龍、秘境に潜む龍、守護する龍、あるいは戦う龍など、そのイメージはさまざまです。本展覧会では、新年の幕開けに、慶應義塾のキャンパスで文化財を巡る活動を行う部門から、「龍」にまつわる作品を集め、みなさまを個性豊かな龍の住処にご案内します。
日本の龍は中国から伝来したと考えられています。中国の文化はさまざまな時代に日本にもたらされ、独自の展開を遂げました。本展では特別企画として、江戸時代初期に新たな漢学・漢詩の担い手となった林羅山とその周辺の人々の書を展示し、文化を伝え展開させてゆく、今も昔も変わらぬ人々のコミュニティをご紹介します。
「唐様前夜:林羅山とそのコミュニティ」作品解説カタログはこちら(1.92MB)
日付
2024年1月10日(水)~ 2月9日(金)
11:00–18:00 土日休館
特別開館|1月20日(土)、2月3日(土)
臨時休館|1月22日(月)、2月5日(月)場所
慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
対象
どなたでもご覧いただけます(事前予約不要)
費用
無料
お問い合わせ
特別企画
「唐様前夜:林羅山とそのコミュニティ センチュリー赤尾コレクションより」
中世から近世へ、時代が大きく変化するとき、文化もまた変わっていきます。「書」も例外ではありません。漢詩文の世界では、五山文学の担い手だった禅僧から、幕府や藩に仕える漢学者・漢詩人へと主役が交代していきます。
近世の漢学系の書は一般に「唐様(からよう)」と呼ばれていますが、実際は17世紀後半、黄檗宗の僧侶の来日や、明代の書道手本の輸入をきっかけとして本格的に始まります。今回は、その前夜ともいうべき17世紀前半に焦点を絞り、新たな漢学・漢詩の担い手となった人たち、特にその中心にいた林羅山(はやしらざん)とその周辺の人たち(師匠・家族・門人・友人など)の書を集めてみました。いわゆる達筆とは見えない作品にも、それぞれの個性や工夫が表れています。その面白さを味わっていただければと思います。
主な出品作品
1.詠歌大概、[藤原定家]撰、[室町中後期]写、斯道文庫
2.武田勝頼朱印状、天正2年(1574)3月24日、三田メディアセンター(慶應義塾図書館)
3.井伊直政書状 [島津義久上洛等]、[慶長7(1602)]年1月15日、三田メディアセンター(慶應義塾図書館)
4.『地下世界』オランダ語版、アタナシウス・キルヒャー、1682年、三田メディアセンター(慶應義塾図書館)
5.東京名所内 第一之霊場浅草金龍山境内之全図、歌川広重(三代)、明治16年(1883)、三田メディアセンター(慶應義塾図書館)
6.ラテン語時禱書 羊皮紙零葉、1480年頃、三田メディアセンター(慶應義塾図書館)
7.刻字甲骨、商/紀元前14-11世紀、文学部民族学考古学専攻
8.雲龍百足蒔絵文箱、室町時代(16世紀)、慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)
9.盤龍六花鏡、唐時代(8世紀)、慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)
10.木庵性瑫筆一行書、江戸時代(17世紀)、慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)
11.和栗由紀夫実演「動物と植物の媒介的生命」(動きのアーカイヴより)、2005年、アート・センター 土方巽アーカイヴ
12.藤原惺窩筆和歌、江戸時代(17世紀)、慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)*
13.林羅山筆元旦試毫、慶安元年(1648)、慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)*
14.葡萄図、松花堂昭乗、江戸時代(17世紀)、慶應義塾(センチュリー赤尾コレクション)*
*=特別企画「唐様前夜:林羅山とそのコミュニティ」(出品作品)
出品作品リストはこちら
関連イベント
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2024年1月15日(月)14:00-15:00 堀川貴司(慶應義塾大学附属研究所 斯道文庫 教授)
会場:慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
⇒ご予約はこちら予約受付終了
当日のご参加も可能です。お申し込みをいただいた方より優先でご案内いたします(先着順、定員目安:25名程度)。
主催:慶應義塾ミュージアム・コモンズ、慶應義塾大学附属研究所 斯道文庫
協力:慶應義塾大学アート・センター、慶應義塾大学信濃町メディアセンター(北里記念医学図書館)、慶應義塾大学日吉メディアセンター、慶應義塾大学文学部古文書室、慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻、慶應義塾福澤研究センター、慶應義塾大学三田メディアセンター、慶應義塾大学文学部民族学考古学専攻