常盤山文庫×慶應義塾 臥遊-時空をかける禅のまなざし
常盤山文庫は、1943年に実業家菅原通濟がその母体を築いたコレクションで、その一部が慶應義塾に寄託されています。慶應義塾ミュージアム・コモンズでは、常盤山文庫創立80周年を記念し、その名品と、慶應義塾の収蔵品を併せて紹介します。
禅は仏典などに頼らず、坐禅や問答などの実践的な修行を重視する仏教の教派のひとつです。禅僧は、開祖である達磨や、悟りの境地を示す風狂な聖者の姿などを、憧れを持って眺めました。また、日本の禅寺では、舶来の墨蹟や絵画を珍重しました。それらは、宗教の枠組みを越えて日本の風土のなかで広がり、室町文化の土壌になります。
禅の美術を代表する水墨画の、墨や淡彩のみを用い、余白を生かした表現は、時に、ともに認められた画賛(詩)とあわせて、時間や空間を越えた景色や世界を生み出します。室中にありながら、描かれた山水の世界に入り込み、自在に想像をめぐらせて時空を越えていく———本展は、そんな「臥遊」の境地を体験し、楽しむ展覧会です。禅の美術に触れて親しんでいただく機会となれば幸いです。
作品解説カタログはこちら
*臥遊(がゆう)=寝そべりながら、山水の絵を眺めて、その世界に遊んだ気持ちになること
日付
2023年10月2日(月)〜12月1日(金)
11:00–18:00 土日祝休館
特別開館|10月14日(土)、11月25日(土)
臨時休館|10月16日(月)、11月20日(月)※期間中に展示箇所の入れ替えをする作品がございます。
前期10月2日(月)~11月1日(水)、後期11月2日(木)~12月1日(金)場所
慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
対象
どなたでもご覧いただけます(事前予約不要)
費用
無料
お問い合わせ
主な出品作品:
1.浙翁如琰筆「浙翁如琰筆偈」、南宋時代(13世紀)、慶應義塾所蔵(センチュリー赤尾コレクション)
2.伝可翁筆、一山一寧賛「楊柳観音図」、鎌倉時代(14世紀)、常盤山文庫所蔵(慶應義塾寄託)
3.「羅漢図」、鎌倉時代(13世紀)、常盤山文庫所蔵(慶應義塾寄託)
4.一休宗純筆、自賛「蘭図」、室町時代(15世紀)、慶應義塾所蔵(センチュリー赤尾コレクション)
5.雪舟等楊筆「山水図」、室町時代(15世紀)、慶應義塾所蔵(センチュリー赤尾コレクション)
6.惟馨周徳筆、大愚宗演賛「雪景山水図」、室町時代(16世紀)、常盤山文庫所蔵(慶應義塾寄託)
7.祐周筆「海棠白頭翁図」、室町時代(16世紀)、常盤山文庫所蔵(慶應義塾寄託)
8.蔵三筆「月に兎図」、室町時代(16世紀)、常盤山文庫所蔵(慶應義塾寄託)
出品作品リストはこちら
*no.21、no.29、no.33は前期と後期(11月2日(木)~)で掲示箇所の入れ替えを行います
*no.22、no.25は前期展示、no.26、no.30は後期展示(展示期間以外はパネル展示)
関連プログラム
ギャラリートーク
当館学芸員によるギャラリートークを行います。どなたでもご参加いただけます(入場無料、事前予約制)。
会場:慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
10 月23 日(月)14時~14時30分 ご予約はこちら定員に達したため受付終了
11 月 24日(金)14時~14時30分 ご予約はこちら定員に達したため受付終了
どなたでもご参加いただけます。
当日のご参加も可能です。お申し込みをいただいた方より優先でご案内いたします(先着順、定員目安:25名程度)。
【終了しました】シンポジウム
「常盤山文庫コレクションがつなぐ、モノと人のネットワーク」
日時:2023年11月14日(火) 18時~20時30分(開場17時30分)
会場:慶應義塾大学 三田キャンパス G-Lab(東館6階)
どなたでもご参加いただけます(入場無料、事前予約制)
詳細はこちら
他にも展覧会に関連したプログラムを各種予定しています。詳細はウェブサイトやSNSでお知らせします。
連携企画
「東京国立博物館 特集 創立80周年記念 常盤山文庫の名宝」
会期:2023年8月29日(火)~ 10月22日(日)
会場:東京国立博物館 東洋館8室
東京国立博物館ウェブサイト https://www.tnm.jp/
展覧会チラシはこちら
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共催:慶應義塾ミュージアム・コモンズ、公益財団法人常盤山文庫
協力:慶應義塾大学附属研究所 斯道文庫