慶應義塾ミュージアム・コモンズ、大山エンリコイサムにアート・ワークをコミッション

2020/9/29

 

2021年春にオープンする慶應義塾のあたらしい大学ミュージアム「慶應義塾ミュージアム・コモンズ」は、施設内の先進的なクリエイション・スタジオ「KeMCo StudI/O(ケムコ・スタジオ)」に、大山エンリコイサム氏によるコミッション・ワーク「FFIGURATI #314」を設置します。

 

写真:慶應義塾志木高等学校 壁画 大山エンリコイサム(2003)Photo © Shu Nakagawa

 

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)は、慶應義塾が160年を越える歴史の中で形成した、さまざまな領域にわたる文化財コレクション、そしてその背後にある教育・研究活動をつなぐハブとなる機関です。KeMCoは、リアル(アナログ)とデジタルが融け合う展示・教育・研究プログラムを準備することによって、多様なコレクションと活動をつなごうとしています。

 

このKeMCoの活動を支えるユニークなスタジオが、最新のデジタル撮影・計測機材と、デジタル・ファブリケーション設備を備える「KeMCo StudI/O(ケムコ・スタジオ)」です。このスタジオでは、ミュージアムにおける展示・収蔵の実践と間近に接しながら、デジタル・オブジェクトと実作品の関係を体験を通じて学び、メディア横断的な創造を展開することができます。

 

慶應義塾の卒業生でもある大山エンリコイサム氏は、ストリート・アートから出発した独自のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断し表現する美術家です。大山氏の関心と、デジタルとアナログを架橋するKeMCoのコンセプトが重なり合ったことから、ケムコ・スタジオの、ひいてはKeMCoのシンボルとなる作品の制作をお引き受けいただきました。

 

施設の竣工にともない、9月25日から現地での制作が開始されています。大山エンリコイサム氏のアート・ワークは、10月26日からのKeMCoプレビューイベントで公開されます。

※詳細はこちら:PDF(2.17MB)

 

関連イベント

大山エンリコイサム トークイベント

2020年10月28日(水)  18:30-20:30

大山エンリコイサム×渡部葉子(ミュージアム・コモンズ 副機構長/アート・センター 教授)

Zoom Webinar で開催します。参加ご希望の方は登録ページより事前登録をお願いいたします。

KeMCoプレビューイベント内でのアート・ワーク公開

2020年10月26日(月)〜10月30日(金)

オンライン公開

 

※イベントの詳細は KeMCoウェブサイトでお知らせします。

 

 

「FFIGURATI #314」

「FFIGURATI」は「Graffiti」(グラフィティ)とイタリア語の「figùra ti 」(フィグーラティ:自身で象れ)を合わせた造語。大山エンリコイサムが一貫して描くモティーフである「クイックターン・ストラクチャー」に対し、「FFIGURATI」は、固有のメディウムや技法をもつ個別作品を示し、作品毎に番号が付与されている。ケムコ・スタジオに設置された #314では、大山が新たなメディウムに挑戦している。

 

 

大山エンリコイサム

1983年東京都生まれ。2007年慶應義塾大学環境情報学部卒業、2009年東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。

エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモチーフ「クイックターン・ストラクチャー(QTS)」を起点にメディアを横断する表現を展開し、現代美術の領域で注目される。

高校在学中にエアロゾル・ライティングに関心を抱き、70-80年代のニューヨークを中心とする同文化の影響のもと、線の反復と広がりによる白黒の立体パターンをかきはじめる。その後、同モティーフを「クイックターン・ストラクチャー」と名づけ、現代美術とストリート文化のボーダーで表現を続けている。

主たる個展は、「Kairosphere」(ポーラ美術館、2019)、「VIRAL」(中村キース・へリング美術、2019)、「INSIDE OUT」(タワー49ギャラリー、NYC、2019)、「ユビキタス─大山エンリコイサム」(マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館、カンザス、2017)など。著書に、『エアロゾルの意味論 ポストパンデミックの思想と芸術』(青土社、2020)、『ストリートアートの素顔―ニューヨーク・ライティング文化』(青土社、2020)、『ストリートの美術―トゥオンブリからバンクシーまで』(講談社選書メチエ、2020)、『アゲインスト・リテラシー─グラフィティ文化論』(LIXIL出版、2015)、『美術手帖 2017年6月号 エアロゾル・ライティング特集』(企画・監修)など。コム・デ・ギャルソンやシュウ ウエムラともコラボレーションするなど、多角的に活動している。

大山エンリコイサム展「夜光雲」

2020年12月14日(月)〜2021年1月23日(土)

神奈川県民ホールギャラリー

https://yakouun.net/  

 

ウェブサイト https://www.enricoisamuoyama.net/  

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