ミュージアム・コモンズ設置講座として、2020年度からKeMCo講座を開講しています。
本講義は、対面での開講となります。希望者多数の場合は抽選を行う予定です。
(抽選結果は、9月30日(金)18:00以降に「履修申告」画面で確認できます。「不許可」の表示がない場合は、履修が許可されています。)
授業の内容について詳しくは、ガイダンス(オンデマンドビデオ)でも紹介しています。
「ミュージアムとコモンズⅡ オブジェクトをめぐるパースペクティヴ/デジタル・ファブリケーション実習」
私たちの周囲にあるモノ(オブジェクト)は、それぞれに異なる形をもち、さまざまな意味や歴史を内包しています。そして、オブジェクトをどのように捉え、そこからなにを見いだすかは、相対するひと毎に異なり、オブジェクトはインタラクションの度に違う姿を見せます。
本講座では、文化財や学術資料など、豊かで複雑な意味や歴史を内包するオブジェクトの観察に根ざした対話を根幹に据える「オブジェクト・ベースト・ラーニング」の方法論に基づき、自らのコンテクストを確認しながら、他者との対話を通じて対象に関する知識と理解を発展させ、多様な価値観を受け入れていく方法を学びます。
また、オブジェクトを用いた共同実習、ディスカッションを通じて、既存の前提を問い直していく思考を身につけること、また、ミュージアム・コモンズの情報環境を活用したデジタル・ファブリケーション実習を通じて、自らの思考を創造的にアウトプットする方法を学んでいくことをねらいとしています。
第 1 回 | オブジェクトを/から学ぶ:Object Based Learning(OBL)
授業の進めかた、全体テーマを確認するとともに、Object-based Learningについて学ぶ |
第 2 回 | オブジェクトの視座:現代美術をオブジェクトとして見る
様々なメディウムの文化財をオブジェクトとして見る視座について、「現代美術」を例に考える |
第 3 回 | 展覧会でオブジェクトとインタラクトする:現代美術 ①
ミュージアム・コモンズの現代美術展を実際に見学し、OBLのワークを行う。 |
第 4 回 | 展覧会でオブジェクトとインタラクトする:現代美術 ②
ミュージアム・コモンズの現代美術展を実際に見学し、OBLのワークを行う。 |
第 5 回 | オブジェクトとメディアそしてナラティヴ
前週までのワークを踏まえ、現代美術におけるオブジェクト・メディア・ナラティヴの関係について考える |
第 6 回 | オブジェクトの視座:デジタルデータをオブジェクトとして見る
高度に情報化された社会のなかで、オブジェクトはどのように発展し、あるいは変容していくのか。最先端の研究動向を交えて、実空間とデジタル空間が「繋がる」ことで生じた事象・変化を概観しつつ、その可能性を展望する。 |
第 7 回 | デジタルデータとオブジェクト ①
文化財の記録・保存目的のみならず、VRやARをはじめとするヴァーチャル・ミュージアムでの活用も進んでいる三次元(3D)表現。本回では、3Dの可能性について、受講生とともに考究する。 |
第 8 回 | デジタルデータとオブジェクト ②
文化財をはじめ、人類数千年の歴史のなかで蓄積されたきたモノ・コトは、如何にして共有されえるのか。ミュージアム・コモンズでも取り組んでいるLinked Open Data(展開)を軸に、グローバルなデータ空間の仕組みと利活用について学ぶ。 |
第 9 回 | ライブラリでオブジェクトとインタラクトする:三田メディアセンター貴重書室を訪ねる ①
メディアセンター貴重書室の洋書コレクションを対象にディスカッションする。 |
第 10 回 | ライブラリでオブジェクトとインタラクトする:三田メディアセンター貴重書室を訪ねる ②
メディアセンター貴重書室の和書コレクションを対象にディスカッションする。 |
第 11 回 | オブジェクトとインタラクトするためのシートを作る
Object-based Learningで用いるシートを設計する。 |
第 12 回 | 展覧会でオブジェクトとインタラクトする:「KeMCo新春展 2023」①
ミュージアム・コモンズの展覧会を実際に見学し、前回授業で作成したOBLシートを使ってワークを行う。 |
第13回 | 展覧会でオブジェクトとインタラクトする:「KeMCo新春展 2023」②
ミュージアム・コモンズの展覧会を実際に見学し、前回授業で作成したOBLシートを使ってワークを行う。(ディスカッション) |
第14回 | まとめ |
※ 本設置講座は、慶應義塾大学学部、研究科の正規在籍者のみを対象としています。学外の方の履修・聴講はできません。