瀧口修造コレクション

詩人、美術批評家、造形作家である瀧口修造(1903‒1979)の1936‒1979年にわたる資料体。

 

瀧口は、1920年代より実験的詩作を開始し、1950年代は美術評論を行うとともに展覧会を企画した。1960年代は評論から徐々に撤退し、制作を行うようになった。戦後の美術史が形成される上で中心的役割を果たした人物である。

 

2001年、瀧口のご遺族鈴木陽氏からの資料寄贈を機に開設。中心となる資料は、書簡、写真、催事印刷物、草稿、手づくり本(通称)およびその材料、書籍等(書簡:3,538件、草稿:13ボックス、手帖:87件、雑資料:279件、写真:623件、手づくり本およびその材料:11ボックス、書籍:773件、催事印刷物:1,323件)、総計:6,609件(単位が系列ごとに異なるが、全て1件と数えた)を所管。

 

系列ごとに整理の深度が異なり、件数が明らかになっているもの以外(ボックス)の整理を進めて行きたいと考えている。残された物品の中には、通常ならゴミとして廃棄されてしまうであろうものまで含まれており、非常に繊細な手つきによって、それらの様々な再配置を繰り返し試みていたことが書斎写真からも窺われる。戦後の芸術史を見直す上で、重要な資料体である。