エントランスホールから続く大階段は、2Fのオープン・デポ、3Fの展示フロアへと続きます。
展覧会によって、階段の踊り場や廊下でも映像投影やケース展示が行われます。
オープン・デポは、ガラス張りの収蔵庫前室です。ヴィジブル・ストレージ(Visible Storage;目にみえる収蔵庫)の考えを一歩すすめ、ミュージアムの作品だけではなく、作品をめぐる活動に焦点をあて、作品の保存、調査、修復、貸し出しなどのコレクションを巡る活動が展開される場、また展示の企画が生み出される場として、収蔵庫前室をオープンにしました。
展示フロアには、ルーム1とルーム2があります。ルーム1には、これまで三田キャンパスで実現できなかった、屛風などの大型・横長の作品の展示を可能にするウォールケースを導入しています。
ルーム2はテラスに面しています。テラスからは、曾禰中條建築事務所設計の塾監局と図書館旧館、そして槇文彦設計の図書館新館といった建築群や、彫刻、記念碑をはじめとする塾の文化財を一望することができ、キャンパスの歴史や文化と対話する場所としても機能しています。
オフィスは共同作業に適したオープンな空間として設計されました。その時の作業内容や活動によって場所を変えながら仕事をする「アクティビティ・ベースト・ワーキング(Activity Based Working)」を取り入れ、教員と職員がスペースを共有しています。
実習室はスロップシンク、展示壁面、実習台を備え、博物館実習など作品・資料を扱う授業に対応します。また、オンラインでの教育・研究を支えるため、遠隔機材を導入しています。
KeMCo StudI/O(ケムコ・スタジオ)は、3D スキャンにも対応した撮影・計測を⾏うデジタル化機能と、デジタル・データを⽤いて、3D プリンタなどの⼯具を駆使して⼯作を⾏うファブリケーション機能を兼ね備えたクリエイション・スタジオです。ミュージアムにおける展示・収蔵の実践と間近に接しながら、デジタルとアナログの関係性を体験を通じて学ぶとともに、メディア横断的な創造を展開することができます。
スタジオの、またKeMCo全体のシンボル的な作品として、大山エンリコイサム氏(環境情報学部卒)によるコミッション・ワーク《FFIGURATI #314》が設置されています。
カンファレンス・ルームは、45名程度の集会に対応します。オンラインあるいはリアルとオンラインを併用するハイブリッド型の活動をホストする遠隔機材を導入しています。
また、壁面が展示壁面になっており、ときには展覧会の会場としても活用されます。