高木浩明

近畿大学•武蔵野大学大学院非常勤講師

16世紀末に、ヨーロッパと朝鮮から伝来した活字印刷技術は、中世までの写本を主とした古典や学問の享受の在り方に、大きな変革をもたらした。

 

こうした時代の新たな潮流を受けて、日本で新たに刊行されるようになったのが、主に木製の活字を用いて印刷された「古活字版こかつじばん」である。

 

私は今、日本国内の所蔵機関に所蔵される古活字版の悉皆調査を行い、古活字版を通して、中近世移行期の学問•学芸•出版の実態と背景、人的ネットワークをより明確なものにしようと目論んでいる。主著『中近世移行期の文化と古活字版』(勉誠出版、2020年)。

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